木の針さし
店を構える弘前には多彩な名所や名産があります。みなさんが弘前と聞いて一番に思い浮かべるのは、やはり弘前城公園の桜ではないでしょうか。ほかにはねぷた祭り、もちろん私どもが扱っているこぎん刺し、個人的には美しい稜線を描く岩木山などなど。
そして収穫量(味も)日本一を誇るのがご存知りんごです。
このりんごは昨年(2025年)に植栽150周年という節目を迎えました。植栽、つまり青森県にりんごが植えられてから150年経ったということです。150年前の日本ではどんな感じだったかAIに聞いてみたところ、「1875年(明治8年)は明治政府が近代国家としての基盤を固めつつ、近隣諸国との外交関係を整理した非常に重要な年」との事です。ちなみに東京気象台(現在の気象庁)が本格的な気象観測を始めたのもこの年のようです。
この150周年のさまざまな行事の中で、りんごにちなんだこぎん刺しキットの制作依頼をいただき、 "りんごのピンクッション"を作りました。このりんご型のキットはオリジナルキットとして古くから製造販売していましたが、よりりんごとの関わりを深めるために、りんごの葉っぱや樹皮で染めたこぎん糸を使いリニューアルしました。
色のラインナップも紅玉(赤系)、はるか(黄色系)、夏緑(青系)といった実際のりんごから得たネーミングで取り揃え、大変ご好評をいただいております。

これに気を良くして、という訳ではありませんが、更にりんごと共に何かできないかと模索してできたのが"木のはりさし"となります。
こちら の"木の針さし"、土台となる器がりんごの木からできています。手作り家具の職人さんにおおまかなイメージをお伝えして、いくつかのサンプルを作っていただいた中から選んだ形が、はっかく、まる、にこまるとなります。
あくまでも主役はこぎん刺しなので邪魔をしないように、とはいえテーマとしているりんごの存在感も出せるように選んだつもりです。りんごの木の優しい肌触りや天然の木目をそのままに、コーティングなどを施さず無垢のままにしています。



使っているこぎん糸は、りんごのピンクッションと同様にりんごで染めたものです。
中に詰め込む綿は針の布通りを良くし、サビを防ぐ効果のあるシリコン綿を使用し実用性を高めています。
"木の針さし"、"りんごのピンクッション"ともに実用性のあるピンクッションとしてお使いいただけますし、ちょっとしたインテリア雑貨として飾っていただければとも思っています。
さて、無垢の器の"木のはりさし"ですが、エゴマ油やアマニ油などでオイルコーティングする事で乾燥やひび割れを防いだり、木目を美しく保つ事ができます。これについてはあらためて。